08.06
膨らむマーケット
台南市玉井へマンゴーフェスを見にいった件の続きを書こう。
日本向けにPR
台南国際マンゴーフェスティバル(台南市政府主催)では、台南市以外への売り込みにも取り組んでいた。台湾島では、移動販売車で台南市以外の地域に出向き、台南産マンゴーを売り込むのである。台湾島は、南部は果物の産地なので、移動販売の訪問先は台北周辺など、台南よりも北側のエリアということになる。

海外向けとしては、マンゴーフェスのウエブサイトで日本向け発送のサービスをPRしていた。8~14個程度が入った5キロの詰め合わせ1箱が送料・関税込みで約1万3000円(キロ当たり2600円)といったところである。
これ以外にも、台南市政府はさまざまなチャンネルを通じて日本向けに農産物のPRを行っており、黄偉哲市長は2023年7月1日、群馬県前橋市に出向き、現地のイベントでマンゴーをPRしている。
台湾紙「自由時報」によると、台湾産マンゴーの2023年の輸出量は、6月までに2589トン(前年比45%増)で、前年1年間の2174トンをすでに上回った。年間3000トンを超える見通し。主な輸出先は日本、韓国、香港である。
2023年6月30日には、政府の農業部門が、台南産マンゴー5トンを学校給食用として茨城県笠間市に提供すると発表している。
競合と協働
こうしたニュースに触れていると、八重山など日本のマンゴー産地にとって台湾が脅威となるかもしれないと思うかもしれない。八重山でマンゴーを栽培する知人の農家にインタビューしていて、石垣島で高品質のマンゴーを栽培するようになったことで、台湾のマンゴー栽培農家から「マンゴーのイメージを向上させてくれた」と喜ばれたというエピソードを聞かされたことがある。八重山でマンゴー栽培に取り組んできた先駆者たちが日本で高価格帯のマンゴー市場を形成し、高品質な台湾産マンゴーも参入できるようになったとみることができる。競合と協働の両面があると考えるべきであろう。
たとえば「台湾」というキーワードに食いつきがちな人たちは、「台湾産」とあればモノが何であれ、目を向けるかもしれない。「石垣島産」「沖縄産」では響かなかったマンゴーが「台湾」の二文字によって新たな販路を獲得し、日本でマンゴー消費そのものを拡大しているということもあるのではないか。もともとマンゴーが好きで、八重山産のお得意さんだった人たちにしても、簡単にほかに乗り換えるとは思えない。八重山産マンゴーは台湾とのつながりで栽培ノウハウが定着したが、そのクオリティは高く、簡単に顧客が離れていくようなことはないはずだ。
【トップ画像の説明】店先にバイクを停める。店内ではマンゴーやドライマンゴーが売られている=2023年7月1日、台南市玉井区の青果市場
★松田おすすめの1冊★
台湾の山に分け入ることでしか見えてこないものがある。


