07.07
マンゴー祭りを訪ねる
台湾を代表するマンゴー産地のひとつに玉井という場所がある。7月初旬、マンゴーのイベントがあるというので行ってみた。会場の青果市場は、マンゴーを盛った篭がずらりと並んでいるところへ、さらにトラックでマンゴーが運び込まれるという状態で、どこを向いてもマンゴーである。
台南駅前からバスで1時間余りのところにある山がちなエリアだ。市街地は標高50~100メートル程度で、この数字だけでは山とは言い難い。ただ、それは地図の上での話だ。バスが玉井中心部に近づくと、台湾最高峰の玉山を有する中央山脈がはるかに姿を見せ、嘉雲平原と呼ばれる台湾西部の平地から丘陵部に踏み込んだことがはっきりとわかる。その斜面を埋めるのは、枝の先に白い袋がかかった樹々だ。マンゴーの果樹園がうねうねと広がっているのである。
八重山マンゴーの系譜
沖縄県八重山地方のマンゴーは、台湾出身者らが台湾とのつながりを生かしながら栽培のノウハウを確立してきた経緯がある。台湾系2世で八重山のマンゴー栽培の第一人者として知られる島田長政さん(1945年生)が、マンゴーなど果樹栽培に関連して親しい付き合いがある地域として、新社(台中)、竹崎(嘉義)、そして台南の玉井を挙げている(2021年3月14日のインタビュー)。台湾の生産者との間で徐々に信頼関係を築いてきた結果として、日本国内有数のマンゴー産地としての八重山がある。
そんなこともあって、「マンゴーのふるさと」の異名を取る玉井にはぜひ行ってみたかったのである。
今回のイベントは、台南国際マンゴーフェスティバル(台南市政府主催)の一環。6月22日から約1カ月間かけて市内7地区を巡回しての開催である。玉井は開催地区のひとつとなっており、会場で値札を確かめてみると、主力のアップルマンゴーは100グラム当たり20円程度。私が拠点にしている新北市永和区の店頭で確かめてみると、その小売値の3分の1から2分の1程度だということがわかる。マンゴーが好きな人、マンゴーで何かを作る人には、堪らない安さに違いない。

会場を巡回するようにしてバイクでゆっくり走らせ、来場者に声を掛ける人たちも気になる存在だ。バイクの足を掛けるところにマンゴーを盛ったかごを置き、来場者が興味を持って足を止めると、売買交渉ということになる。
商売の環境としては、最も過酷といっていいだろう。私が取材をしていた午前10時から正午までの間、青空が広がり、気温は30度を上回っていた。青果市場は大屋根が日差しを遮り、ミストの噴射もあるので、暑さはしのげる。トラックの荷台にマンゴーを並べて売る人たちは、幌の陰に逃れることができる。バイクの移動販売の人たちはというと、帽子や笠をかぶって頑張ることになる。「マンゴーのふるさと」で生きる人たちのガッツを感じさせられる風景である。
【トップ画像の説明】マンゴーフェスの会場に運び込まれるマンゴー=2023年7月1日、台南市玉井区の青果市場
★松田おすすめの1冊★
沖縄でおなじみの果物も出ています。


